アルプスの若大将
老いも若きも元気の出る映画
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日本映画のふるさと京都に於いて、新京極商店街は<映画を観るまち>として、ずっと京都市民から親しまれて来ました。
かって「京極に行こか!」は、イコール「映画観に行こう!」でもあったのです。 |
2005年には、現在工事中の京都松竹座も5スクリーンを擁するシネマコンプレックスとして生まれ変わり、既設のMOVIX京都と併せて、計12スクリーンの映画館となります。
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| MOVIX京都 |
現在工事中の京都松竹座 |
| 右奥に現在工事中の京都松竹座が見えます。 |
左奥にMOVIX京都が見えます。 |
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このように「映画のまち・新京極」は、今も健在なのですが、「もっといろいろな映画作品を観る機会を持ちたい。」「新京極から文化情報を発信したい。」そんなおもいから昨年より始まった「新京極映画祭」、今年は<老いも若きも元気の出る映画特集>と来たもんだ。
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あ!
申し遅れました、私1955年生まれの48歳、映画祭実行委員長の井上です。 |
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私が、東映の封切り映画館(京都花月劇場)の隣りで、幼少時代を過ごした事は、以前に一度「よもやま話」にも書きましたが(以前のページへのリンク)、映画館は顔パスしかも遊び場と思っていた子供が、お金を払って観に行った(正確には、祖母に観に連れてもらった)映画館は、河原町の京都宝塚劇場でした。
最初は、東宝の空想科学映画「妖星ゴラス」、次に「キングコング対ゴジラ」に始まる怪獣映画、「太平洋の翼」などの戦記映画と、夢中になって行った訳です。
資料(角川書店刊「若大将グラフイテイ」)によりますと、「海の若大将」の併映は、「フランケンシュタイン対地底怪獣バラゴン」なので、1965年8月に私は初めて若大将映画を観た事になります。
この「海の若大将」は、正直印象が薄かったですが、その年の暮れに公開された「エレキの若大将」には、ホントはまりました。
もう、併映の怪獣映画「怪獣大戦争」より、若大将という感じですかね。
もちろん、日本中が加山雄三=エレキの若大将のブーム(正確には、この映画の公開後)となり、名曲「君といつまでも」が大ヒットだった訳ですから、子供もシビレて当然でしょう。
今思うと、サザンオールスターズが、バラードの「いとしのエリー」で不動の人気を掴んだのと似た状況です。
慶應大学出身、スポーツが出来て、歌が歌えて(しかも自作自演)、男前。
女の子と居るより、男仲間と騒ぐのが好き。
海の男、山の男。
そして、ドカベン(デビュー当時、撮影所にいつも大きな弁当箱を持って来た事によるあだ名)。
愛すべき若大将のキャラクターとスター加山雄三が一体となって、子供のアイドル誕生です。
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そして1966年、まさにブームの最中の5月に公開されたのが、「アルプスの若大将」です。
スイスのマッターホルンの山をバックに滑る若大将の雄姿から始まるこの映画は、京南大学スキー部キャプテンの田沼雄一が、滑りまくり歌いまくる映画です。
劇中、歌われる曲は、「走れドンキー」「ブライトホーン」「モンテローザ」と、同年4月に先行発売されヒット中の「夕陽は赤く」「蒼い星くず」の5曲と、前作に続いて再び登場の「君といつまでも」です。
「夕陽は赤く」が歌われる雄一の部屋を観て、「僕もあんな独り部屋が欲しい」と思った子供は、たくさん居ると思います。
若大将の部屋は、たいてい2階で見晴らしがよく、窓辺に向かってギターを弾くというのが、カッコよかったですね。細長い三角のペナントが貼ってあったりして…。
「走れドンキー」(なんと作詞は、安井かずみ)は、「ランニングドンキー」のタイトルで、東芝からの最初のアルバム「加山雄三のすべて」に、「ブライトホーン」は2枚目の「ハワイの休日」に、それぞれ収録されていますが、アルバムは当時1,750円だったと思いますが、とても手が出ず、4曲入りのコンパクト盤(当時450円)を買いました。
これが、生まれて初めて買った(正確には買ってもらった)レコードで、とにかく電畜でこのレコードばかり聴いていました。
久しぶりに、棚から取り出すと、東宝映画「アルプスの若大将」主題歌と冠にありますので、ミニアルバム仕様のサウンドトラック盤なんですね。
A面に「蒼い星くず」「ブライトホーン」、B面に「走れドンキー」「モンテローザ」の4曲入りで、17cmで33回転です。この中で、今も好きなのが「ブライトホーン」で、編曲も加山雄三(弾厚作名義)なので、バンドっぽいアレンジに素直なメロデイ、まるで仲間とガレージで演奏しているようです。
当時の加山雄三の魅力は、プロなのにアマチュアのように音楽を楽しんでいる雰囲気が伝わって来る事で、そのあたりもサザンと似ています。
また、このコンパクト盤のジャケットに写っている写真は、「アルプスの若大将」のクライマックス、西北大学との苗場での大学スキー選手権大会に於ける京南大学のユニホームと思われますが、この紺地に白いラインの組み合わせがカッコよく、それ以来現在まで自分で服を買うと、たいてい紺と白の組み合わせになってしまいます。
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ブームには必ずピークがありますが、「アルプスの若大将」は、間違いなく加山雄三=若大将映画ブームの頂点に立つ映画です。
監督の古澤憲吾は、ズンズンと前進あるのみという骨太な作風の人ですが、昇り調子の加山を得て、まさに全開モードです。
テンポがすごくいいので、今観ても全く古さを感じません。
私は、レーザーデイスク(トリミング盤とシネスコ盤の2枚を持ってます。)で時々見直しますが、何回観ても楽しめます。
田能久(若大将の実家=老舗のすき焼き屋)のシーンを観る度に、家に帰ったような気になります。
お父さんの有島一郎が、「骨まで愛して」の歌を練習し、おばあちゃんの飯田蝶子は、「007」の小説を読んでたりするのも、時代を彷彿とさせます。
「おばあちゃんは、人からものを頼まれると嫌と言わないと言ってたよね。」と若大将からおねだりされる、この飯田蝶子が一人いるだけで、東京の下町の雰囲気が画面から伝わって来ます。
りき(飯田蝶子)と久太郎(有島一郎)の掛け合いもシリーズのお約束で、青大将役の田中邦衛はもちろんですが、脇役がしっかりしているので、脳天気な青春喜劇映画(ジャンル的には、若旦那ものと言うらしい)なのに、映画としての輝きは今も失われる事がありません。
澄ちゃん(星由里子演じるヒロイン)のキャラクターは、今観ると「あんなワガママな女はゴメンだ!」と思ってしまいますが、公開当時、澄ちゃんはあこがれの女性でありました。
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その「アルプスの若大将」が、11月6日(木)午後9時より、新京極四条上ルの美松劇場で上映されます。
<当日窓口料金1,000円>シネスコサイズの画面で、映画館で観る若大将、迫力あると思います。
第2回・新京極映画祭<老いも若きも元気の出る映画特集>のトップに上映されます「アルプスの若大将」(1966年度作品・カラー・94分・シネスコサイズ)、ぜひご覧ください。
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| 「新京極映画祭」実行委員長 井上恭宏 |
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| 新京極商店街のホームページもご覧下さい。「新京極映画祭」の事が詳しく載っています。 |
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