お香の日…?

お香の日というのがあるのをご存じでしょうか。

 「日本書紀」によると推古天皇3年4月、「沈水、淡路島に漂着」とされています。この沈水(じんすい)というのが一般に言われるところの沈香(じんこう)という香木で、お香の代表と言っていいすばらしい香りがします。

 長さが2メートルを超えるこの木が淡路島へ流れ着いたとき、島民が他の流木と一緒に燃やしたところ、えもいわれぬかぐわしい香りが立ち上ったのでこれを朝廷に献上しました。かねてから仏教の普及につとめていた聖徳太子はこの木片が沈水であるとすぐに理解できたということです。

 これがお香の歴史の始まりということで4月を、また「香」という漢字を崩すと「一、十、八、日」に分解できるところから18日を選び4月18日をお香の日としています。
お香

 この日本書紀のエピソードがお香に関する日本最古の記述ですが、仏教が日本に渡来したのが538年とそれより60年ほど遡り仏教儀式にお香は欠かせないところから考えると、実際の日本のお香の歴史は早くから始まっていたと思われます。お香は供える人の身と心を清浄にし、その香りが差別無く隅々まで行きわたるところから仏の慈悲をたたえるためのものといわれています。
ではその漂着した沈香というお香はどんなものでしょうか。

 日本ではお香といえば沈香といわれ、お香の代名詞となるほど代表的な香木です。別名「沈水」や「沈水香」とも呼ばれるように、水に浮かべようとすると、比重が重いため沈んでしまうところから、この名が付いたと言われています。

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 沈香は香木の一つですが木そのものが香りを放っているわけではありません。枯死したり傷ついたりバクテリアが繁殖したりして、木がもともと持っていた樹脂が木質に沈着したものが香りの発生源となっています。

 水に沈むのはこの樹脂成分のためです。主に東南アジアの熱帯雨林で産出されますが、すべての木に樹脂が沈着するわけでなく、アキラリア属やゴノスチラス属などの常緑樹で、樹齢が30年〜60年という老木で、なおかつ自然の様々な条件が合ったときにまれに樹脂沈着が生じるようです。

 このようなわけで、採集するといってもそう容易でなくカンや偶然という心許ない方法に頼らざるを得ないため、大変高価なものになります。特に沈香の中でも最高級品とされる伽羅はグラムあたりの単価は、金の4〜5倍ぐらいにもなります。
 現在、日本にある沈香の中で最も大きいといわれているものは奈良、東大寺正倉院に保存されている「蘭奢待(らんじゃたい)」で、長さ150cm、直径37cm、重さ11.6kgという巨大さです。 蘭奢待(らんじゃたい)
蘭奢待(らんじゃたい)
お香は焚くといいますが……
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 お香は焚くといいますがお焼香のように直接炭の火にあてるのではなく、焦がさないように 炭から少しはなして温めるようなかたちで薫じます。この熱が沈香の樹脂成分を溶かし えもいわれぬ香りを醸し出すわけです。

 最近では電気式の香炉もあって毎回同じ温度で簡単にお香を薫じることが出来るようになっています。また沈香は鎮静剤として薬用にも使用され、この香りでα波が増えるという実験結果も報告されています。
ご就寝前のひととき、BGS(BackGroundScent)として一度お試しになってみてはいかがでしょう。

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鍾美堂 永松佛具店
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