枚方を中心に上下一里(4`)付近を通る三十石船などに、餅・汁・酒などを商っていた小舟で、“餅くらわんか”“ごんぼ汁くらわんか”などと汚い言葉で食べ物を売りにきたことから有名となり、“くらわんか舟”と呼ばれるようになりました。
他に毛馬にも“毛馬舟”という商いをする舟もありました。
“くらわんか舟”が汚い言葉で悪態を吐くのは、一説には大坂夏の陣で徳川家康が真田幸村に追いつめられたのを助けた恩賞に、武士に対して地言葉で商いをしてもよいというお墨付きを貰ったという説もありますが、この地方では古くから悪霊を追い払うのに悪態を吐くという習わしがあり、旅の安全や無病息災を願うという意味で使われましたので、旅人に大変喜ばれたということです。見方を変えれば常に威張っている武士に対して、餅や汁を売る農民が、反対に威張って売る姿に、同舟の客が喝采を送っていたようにも思われます。
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