かつらの大流行の時代について
かつらの大流行
フランスでは暮らしの様々な側面と同様、ファッションの世界はルイ14世(1638~1715年)に支配されており、フランス宮廷にペリウィッグ(かつら、後に単純に”ウィッグ”と呼ばれるようになった)を取り入れたのもルイ14世でした。これは自分の禿頭を隠すためだったとも言われています。
かつらが登場してまもなく、背中に垂れる長さの”フル・ボトム”のかつらが権威と人格を象徴するようになり、教養のある紳士はかつらなしで人前に出ることはなくなりました。髪は剃ってしまうか、ごく短く切っていたそうです。かつらは高価でうっとおしいというのもあり、労働者階級の男性はかぶらず、かわりに髪を伸ばしていたそうです。
女性の髪型は男性ほどの壮麗さはありませんでしたが、1690年代にモスリンやレースやリボンを針金の芯につけた複雑なかぶりもの”フォンタンジュ”が登場しました。ひだで飾ったうず高いフォンタンジュは、一時は頭上20cmもの高さに達したそうです。ですがその後しだいに小さくなり、18世紀には小さな丸いキャップに姿を変えました。
1600年後半頃にはかつらは実に凝ったものになり、男性用のフルボトムのかつらはひどく大きく重たかったですが、必需品とみなされていました。