ルネッサンス、バロック、ロココの時代について
ルネッサンス、バロック、ロココ
14世紀から16世紀にかけて、ヨーロッパではイタリアを中心に西欧で興った古典古代の文化を復興しようとする歴史的文化革命、ルネッサンスの時代に突入しました。
帽子においても先のロマネスク時代によく着用されたコイフやキャロットの他に、ベレーやビレッタ、ボンネットなど様々な帽子が生まれていきます。
また、15世紀には高い尖塔のようなヘッドドレスのヘニンという帽子がフランスで大流行し、さまざまなヘッドドレスの中でも目を引いたバタフライは、ベールが、蝶の羽の形になるよう針金で支えられていました。フランスでは特に高いヘニンが着用されていましたがイギリスでは低い植木鉢タイプのものが愛用されていました。
ルネッサンスの後、16世紀末から17世紀初頭にかけてはバロックの時代です。
この時代、貴婦人の間では、褐色の髪が流行り、婦人たちは髪を染め、その髪を活かす為に帽子ではなくレースやハンカチーフ、あるいはフード等がよく愛用されていました。
また、男性の帽子はピューリタンハットやトリコルヌ(三角帽)などが代表的に着用されていたようです。
そして、18世紀にはロココの時代がやってきます。
ロココの時代もバロックと同じく頭部の装いは帽子よりも髪型にありました。
1700年後半に、帽子の総代格とも言えるシルクハット(トップハット)が登場したと言われています。この帽子はフォックス・ハンティング(キツネ狩り)用の乗馬帽と考えられたもので、ハンティングトッパーという異名も持っています。
円筒型で高いクラウンが堅くて丈夫に作られているのは、落馬時の頭の保護を考慮したものだといわれています。また、礼装用としては必要が無いはずの脱落防止用のヒモが付いているのは、この帽子が乗馬帽だったという名残です。
シルクハットの起源については様々な諸説があり、どれが本当かはまだ分かっていません。
1760年にイタリアのフィレンツェで誕生した。1775年にフランス人が中国・広東省の帽子屋に作らせた。1797年にロンドンの帽子屋ジョン・ヘザーリントンが考案し、これを着用してロンドンのリーゼントストリート、もしくはオックスフォードストリートを得意げに闊歩したのが始まりだ。という諸説があります。
帽子の流行
15世紀は帽子がますます一般的になり、クエンティン・マッサイスの描いた「両替商とその妻」には、当時の男女兼用の帽子が見られます。頭頂部が平らでつばの細いタイプや、つばを折り返したタイプなど多くの帽子があり、いずれも主にフェルトで作られることが多かったようです。