メールマガジン購読会員様だけにお送りする「京の隠れ名所」シリーズ第四壱弾(最終回)





京の隠れ名所あれこれ・・・
もう41回目・・・・
『京の隠れ名所』と題した本企画は、ごくアタリマエの街角で、普段は見すごしているような「ミドコロ」を改めて発見するという部分において、我々編集部としても楽しんできたものであります。

しかし、より詳細な情報をお届けするには、いかんせん、力不足の感禁じえず、中途半端に公表することは恥をさらすことと思い、今回を以て休止することになりました。

これまで応援してくださった多くの方々に感謝をこめて、最終回ではこれまで情報不足のため紹介するに至らなかった処を簡単ではありますが数ヶ所掲載させていただきます。

今まで、まことに有り難うございました。



1:水路閣
東山区・南禅寺の南に位置する琵琶湖疎水の一部で、TVドラマなどにもよく登場する処です。
明治23年に完成したレンガ作りのモノですが、西洋技術を採り入れているとは云え、日本人だけでの設計&工事にて成されたのであります。
ローマに通ずる水道橋をイメージしたと思われるデザインではありますが、レトロっぽいレンガ造りのアーチは実に美しいもので、現在も大量の水を京都市内に導いているのです。

筆者は群馬県碓氷峠の「メガネ橋」を思い出すのであります。
2:蹴上インクライン
これも疎水に関係する施設で、現在京都動物園南部にあたる南禅寺舟溜まりと九条山中腹にある蹴上の舟溜まりを約20馬力のモーターで駆動されるワイヤーで舟ごと昇降させる目的で、明治18年に着工されました。

それ以来、京阪電気鉄道京津線(現在は京都地下鉄東西線に乗り入れ)が完成するまで、多くの物資の東西流通を支えてきたものであります。

勾配は15分の1と記されてあるので、鉄道での表記に換算すると66.7‰ということです。
粘着運転で同じ勾配を行き来していたEF63はスゴイ!(『鉄』でない方は読み飛ばして下さいませ)

前述の水路閣とともに、昭和58年、京都市指定史跡に登録され、平成8年には近代化遺産として国の史跡に指定されました。

3:京都御所の鬼門
市内中心部にある周囲約4kmの京都御苑内にある京都御所。
写真は北東角でありますが、他の角は普通に「角」なのです。
鬼門にあたるこの場所だけが得意な形状になっており、塀の屋根ウラには古より守り神とされている猿の木彫りが祀られています。
あまり塀に近づき過ぎると、接近センサーが作動し、不審者扱いされるかも知れませんので、御注意召されたし。
最近は落書きや、歴史的建造物にキズをつけるなどという行為を行う不届きモノが多いらしく、苦肉の策であるのも致し方なきこととは思いますが・・・
4:落合橋
右京区。清滝川と保津川が合流するところから清滝川を少し上流側に入ったところに架かる橋。
春には新緑に抱かれ、川の流れる音とともに聞こえる鳥の声・・・

耳を澄ませていると、谷の向こうからなにやら悲鳴のような声が聞こえることがあります。

むむ〜〜・・・・

ここもTVドラマ『○○○殺人事件』の舞台になることも多く、悲鳴らしきものが聞こえるとゾ〜とします。
現実は、この橋からは見えないところ、保津川下りの舟がときおり通過するのでありました。
ちょうどこのあたりに急流エリアがあり、そこに突っ込んだときに乗客が発する歓声(?)が山に響いて悲鳴に聞こえたのでありました。

5:空也瀧
落合橋から清滝川をさかのぼること約2km、「空也瀧」と記された小さな道標があります。
分岐点から支流の堂承川畔を約500m登ったところにあります。

落差15m、水量もたっぷり。
10世紀頃空也上人が霊場として開いたとされ、現在も修行僧が訪れるところとなっております。
ウワサではこれより上流にも滝があるらしいのですが、本格的登山スタイルでなくば近づけぬとか・・・
そう聴くと、一層見てみたくなるのが人情というものかと存じまする。

6:天塚古墳
6世紀前半に造られたと推定される全長70mの前方後円墳。
大陸から渡来し、太秦一帯をひらいた秦氏一族のものとされています。
石室が2個あり墳丘の形状も独特なもので、明治20年に発掘され、約400点の貴重な副葬品は京都国立博物館や京都大学に保管されています。
現在は伯清稲荷大神社となっており、石室の一つに祭壇が置かれ、石組みを見ることができます。
7:蛇塚古墳
こちらも古墳。
石室だけが露出した形になっておりますが、全長75mで京都府下最大の古墳であります。
7世紀頃に造られたもので、規模からして秦氏首長クラスの墓であるとされています。
現在は住宅地となっており、全体の形は地上からは判りにくいのですが、住宅地図で見てみると、まさしく前方後円墳の形が残されています。
奈良県・石舞台よりも大きな玄室幅、玄室の床面積は全日本4番目にランキングされるほどのスケールをもっています。
発見当時、石室内に蛇がウヨウヨ住み着いていたため、「蛇塚」と呼ばれるようになりました。
8:狐坂
左京区・宝ヶ池近くの名物ヘアピンカーブ。
怪奇現象のウワサもありますが、なんといっても市内最急勾配曲線(幹線として)であることが名所の所以であります。
ここより北は京都プリンスホテル、国立京都国際会館などがあります。
京都市北部、岩倉辺りに住まい、通勤通学にここを利用している人々には一つのランドマークになっているそうな。。
ここを曲がったら「帰ってきた〜」と思うんや。

しかし、運転に不慣れな御仁はエンストに見舞われることも多く、現在少し西に新たな道路を建設中であります。
そのうちここも過去の遺物になってしまうのでしょうなぁ〜。
9:青蓮院奥の竹藪
春に行われる「花燈路」での1カット。
東山方面の社寺や周辺が大々的に夜間ライトアップされる「花燈路」
左京区の青蓮院は見事な庭園とその背景にあたる竹薮も芸術的照明によって夢幻の世界を演出してくれるのであります。

もしかすると、京都は街中がアートなのかも。。。

芸術とは精神に直接訴えかけるもの。
もし貴方が、そこにいるだけでナニカを感じ取ったなら、それがアート。
ハダに合うか否か・・・
好き嫌いは誰にでもあるもの。
超感覚的出会いが「ほんまもん」

なんのこっちゃ・・・・