桜咲く季節となりました。
昨年もご紹介いたしました「筍」が旬となっております。
皆さんが食しておられる筍は「孟宗竹(もうそうちく)」といい・・・というウンチクは昨年もご紹介しましたので今回は割愛させていただき、今回のお料理
「肉たけ?」
って何?と思われる読者の方もいらっしゃるかと存じますが、多分私の造語でございます。
「肉じゃが」といえば恐らく知らない方はいらっしゃらないでしょうが、その「じゃが」が「たけ」になったものです。
しかしなんとも語呂の悪い造語で書いていてだんだん恥ずかしくなってきました。
求道料理人の名が泣いている?
名を剥奪?
けれども、お味の方は肉じゃがにも負けず劣らずですので是非お試しください。
あっそうそう筍で思い出しましたが、先日、筍を買いに行った帰りに不思議な事がございました。
1本2000円の筍を2本と450円の菜の花を買いまして、4450円に消費税で4672円でした。
5000円札を出した私は328円のおつりを受け取り、お財布に小銭を入れようとした時、私の愛車スーパーカブ(商業用の50ccバイク)にガソリンを入れなければならなかった事を思い出し、財布には入れずにポケットに328円を突っ込みました。
ガソリンスタンドに行きますとずんぐりとした60歳前後のいかにもベテランという感じのおじさんが
「現金でっかぁ?」
と聞くので
「現金で」
と答えポケットに手を突っ込み、お金をまさぐりだすと328円あり、328円までならお財布出さなくても済むので、なんとか328円まででと念じていました。
左手に328円を握り締め、ガソリンのメーターを見ていますと3.1gでおじさんが給油を止め、間髪入れずに
「3.1gで328円っ!」
と、
『どうやー計算早いやろー、消費税も計算したんやでー!』
という ”したり顔” で言うので、僕も負けずにすかさず左手を開き中身を見せながら
「やっぱり328円か」
と ”すまし顔” で言うと、
「な・な・なんでちょっきり持ってたん?」
と驚きと恐怖の色を浮かべながら聞くので
「なんとなく、おじさんが328円言うような気がしててん」
と言って328円を渡すと黙って伝票を取りに行かれ、戻ってきて私に震える手で伝票を持ちながら
「おたくー、も・もしかして超能力者?」
と言うので
「求道料理人は神通力があんのやー!」
と言えばこのコーナーのお話としてはうってつけなのでしょうが、そのような事
おじさんに聞かせても口をあんぐり開けさせる以外に効果は無いので
「さあー?」
と、にぃーと笑い伝票を受け取り帰りました。
おじさんはあまりに気持ち悪かったのか、「有難うございました」と言うのを忘れており、バックミラーに映るおじさんは私のスーパーカブをいつまでも見つめていました。
ちょっと冗談が過ぎたかな?おじさんに悪かったなと後から思いましたが、こんな偶然があるんだなぁ、やっぱり筍を買いに行った時だけに孟宗のような、いやいや妄想のような不思議な話でした。
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材料 4人前
用意する材料 |
筍 | 2本(水煮でOK) |
牛肉 | 300g(切り落とし) |
絹さや | 10枚 |
用意の調味料 |
出汁 | 300cc |
酒 | 50cc |
味醂 | 50cc |
濃口醤油 | 50cc |
砂糖 | 30g |
(調理手順)
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筍の水煮はよく水で洗い半分に切り分け、中に石灰が入っているものは爪楊枝等できれいにほじくりだし、水から湯がいてください。
沸騰してから10分ほど煮させ、最後の30秒ほどに絹さやを入れ一緒に湯がき、水にさらします。
筍は適当に一口大に切り分けてください。
絹さやは水気を取り、おいておきます。
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深手の鍋に油をひき温めて、肉をほぐしながら入れ炒めます。
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焦げつかない程度に適当に炒まったら、まず出汁300ccを入れます。
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次に、酒50cc、砂糖30g、味醂50cc、濃口醤油50ccの順で
入れ3分ほど煮た後、肉はお皿に引き上げておきます。
注意:ずっと一緒に煮ていきますと肉が固くなってしまいます。
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肉を引き上げましたら筍を入れ、中火で筍に少し醤油色がつくまで約7〜8分煮ます。
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一旦冷まし、召し上がる前に肉と絹さやを入れもう一度煮ます。
冷ましたものを再度煮ることによって筍も中まで味が染込み、 肉も柔らかく美味しく召し上がっていただけます。

是非、皆さんこぞってお作りいただき、私の造語
肉たけ?
をメジャーデビューさせてくださりませ。
"?"
ですので語尾は音が上がります。
お間違いなきように!
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