メールマガジン購読会員様だけにお送りする「名物店主・店員数珠つなぎ」シリーズ第弐参弾


ホンモノを知る男
「十三や」五代目主人 竹内伸一 さんの登場です。

 今回は、四条寺町 を東に行った御旅町にある、つげ櫛の老舗「十三や」さんのご主人、竹内伸一さんに取材しました。
 「十三や」さんは明治初期創業で130年、四条の今の地に店を構えて100年近くになります。

 ご主人で5代目とのことです。
 京都は100年経たないと老鋪と呼んでもらえません。

話は横に逸れますが、これも四条で有名な天津甘栗の老舗に まつわる話・・・

その甘栗屋さんの裏手に、安産帯で有名な小さなお寺がありまして、甘栗屋さんの先代ご主人が、そのお寺の老住職に、ある時、“うちの店もお陰で100年を超えましたわ”と言ったら、その老住職が“ああそうですか、この寺は何やかんやで、ここに来て1000年になりますわ”と言われ、“まいった” と思った話を、以前、筆者が聞いたことが有りました。

 京都の町ならではの話です。



 話を元に戻します

 まず、「十三や」さんの屋号の云われを聞きました。
つげ櫛の、“くし”と言う音は、苦と死に通じるので、縁起が悪いから、九と四をプラスして、13となるから“十三”としたとのことで、昔は、全国に「十三や」という櫛やさんが沢山あったそうです。

 再び話がちょっとずれますが
同じ四条こ「二十三や」さんという、これも櫛を扱う創業150年の老舗があります。
この店は、主に、中国の唐の櫛(竹製)を扱っているので、やはり、“唐(10)”と“くし”をプラスして、10十9+4=23となり、「二十三や」とされたそうです。

 また元に話を戻します。

 なぜ、櫛の素材に「つげ」が良いのかを聞きました。

「つげ」という木は、堅く、油脂成分をふくむので、粘りがあり、静電気も起こらず、髪をとかすには最適です とのこと。

 今店頭には、1千円から7万円の品まで揃えておられます。
 全てご主人の手作りだそうです。
  全国で、つげの木を板にして歯を入れ、櫛にまで仕上げるという一貫生産の店は、うちだけでしょう とのことです。

ちなみに、ご主人の山科工房の電話番号は
075-***-1194であり、やはり “いい櫛” という語呂合わせになっております。

さすが!

 歴史的には、つげ櫛は、万葉集の中の歌にも詠まれており、平安京より歴史が長い、1300年以上とのこと。
 つげ櫛は、今も女性はもとより中学生からご年配まで、また国内のみならず外国にもファンが安定的にあるそうです。

 また、櫛のやさしい歯先で頭皮を刺激すると、育毛にもなるそうです。

 頭が気なる男性も買って行かれるそうです。




簪(カンザシ)・髪飾りも多数


 ところで、ご主人は大学時代、グライダー部に所属して大空を滑空されていたとのこと。

 グライダーは空に上がれば風まかせ。如何に上昇気流をとらえるかで、最高2000mまでも昇るそうです。

さて、グライダーはどうして離陸するのか?
ウインチというロープを引っ張る機械で引っ張って、そのスピードで上がる方法。
セスナ機につなげて一緒に空に上がり、空中で切り離す。

などの方法があるとのことです。

エンジンがないだけに、命がけ。
気流が悪いところは絶対に避けなければいけません。
雲の中に突っ込むのは厳禁とのこと。
やはり、着陸が一番難しいそうです。
グライダーは、一輪車なのです。
操縦桿の操作だけですから、ちょっと考えただけでも、緊張の連続だと思います。

筆者にほ、そんな命がけの緊張感は耐えられません。
(ジェットエンジン搭載の旅客機でもビビります)

 グライダー操縦の緊張感と、 つげ櫛を精根込めて作る緊張感には通じるものがある と、筆者は感じました。

 最後にご主人が、 “最近、全国から、きょうとウェルカムのインターネットを通して、つげ櫛の注文が、ぼちぼち入るようなりました、有り難いことです”
とのうれしいお言葉。

 京都人のぼちぼちは、順調だということ。
 やはり、京都ならではの伝統工芸品は、インターネットでも強いんだということを感じて、取材を終えました。


取材人 : 樋爪 保

地図
十三や通販ページ
http://www.kyoto-wel.com/shop/S81004/index.html


十三やホームページ
http://www.kyoto-shijo.or.jp/13ya/


四条繁栄会ホームページ
http://www.kyoto-shijo.or.jp/index.html