
京都市中京区、河原町と木屋町に位置する路地に、地上げによって撤去されていた「お地蔵さん」が15年ぶりに御帰還あそばされました。
新しい地主さんが、その一角を提供され、町内会で祠を新調
これからもずっと町内を見守って欲しい
と願いを込めて8月下旬には地蔵盆も開催されました。
昔からこの地におわす3体の地蔵尊&1体の道祖神が、突如姿を消されたのは昭和61年頃。
「地上げ」が大流行していた時期で、河原町周辺の町並みがコロコロ変化したという記憶があります。
この「お地蔵さん」もアオリを受けこの地から撤去させられてしまったのでした。
町会長で割烹料理店「濱喜久」店主・宮脇一氏曰く
朝起きて表へ出たら、祠ごとなくなっとるねん。
どないなったんや?思たで〜。
移動させられた地蔵尊は北区の不思議不動院に預けられて、町内会一丸となって戻そうと努力されてましたが、お奉りするべき場所がなかったので、毎年不思議不動院までお参りに行っていたそうです。
「お地蔵さんが帰って来はる時のために」と移転に必要となる費用を積み立て、地主さんに場所の提供を求めてきました。
その甲斐あって、2002年5月、新土地所有者である建設会社が場所を提供され、元々御座った所から約15m南の駐車場の一角に決定されました。
そして、新たに御影石の台座をすえ、ヒノキ造りの祠を新設されました。
8月19日、近隣住民各々方の見守る中、地蔵尊は昭和12年に寄進された古い祠ごと新しい祠の中に安置されました。
「地蔵さんは町内を見守ってくれはる。
京都の地蔵さんは地上げでぎょーさん無くなったらしいけど、みんな帰ってほしいと思うたはりまっしゃろ」
とは宮脇会長の話。

ということで、2002年8月27日、御帰還後初の法要が営まれました。
古来よりあった町の風情
これからもずっと大事にしとうございます。
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