神田愛山・講談～敵討母子連れ、谷風の情相撲～（ＣＤ）

六代目・神田伯山と共に令和の講談界を盛り上げる実力派、二代目・神田愛山の講談集。
元は落語家をめざすが、語り口が講談向けだと評され、講談師に転向した。アルコール中毒で一度は破門された経験を持つ。男のダンディズムを漂わす語り口、音声の強弱、間の妙、徐々に盛り上がる語り口は多くの講談ファン、侠客ファンを唸らせている。（2023年11月/神田愛山古希独演会より）

神田愛山・講談 収録内容

• 敵討ち母子連れ

  文豪・菊池寛の原作を講談化した神田愛山の人気演目の一つ。
  父の仇・高木主馬を討たんと母と共に旅に出た心優しき少年・竹之助。16歳の折、労咳となり静養の為、釣りに出かけた隅田川で一人の老武士と知り合う。
  息子のように慈しみ、父のように慕う関係となる二人だが、実はこの老武士こそめざす仇、高木主馬だった。「とても斬れない」と慟哭する竹之助。しかし母はそんな息子にしびれを切らし、高木に斬りかかる・・・。

• 寛政力士伝・谷風の情相撲

  講談指折りの人気演目。落語では『佐野山』の名で知られる。相撲の神様と謳われた四代横綱・谷風梶之助の生涯唯一の八百長相撲を描く。
  病の父親を抱える十両ドン尻の佐野山権兵衛。父の看病で稽古もできず栄養失調のありさまだ。見かねた谷風は無理矢理頼み込んで佐野山と対戦。勝ちを譲り、彼を救おうと考える。横綱と十両最下位の一戦である。巷では佐野山が谷風に投げ殺されるという話題で一杯になる。物見高い江戸っ子が客席に詰めかけ、判官贔屓で佐野山を応援する声が溢れる。遂に始まる世紀の一戦。四つに、もろ差しに、そして寄り。激しい相撲の末、果たして軍配はいずれに！？