竹本綱大夫・義太夫選～義経千本桜・渡海屋の段（カセットテープ）

　文楽（人形浄瑠璃）でよく演じられる『義経千本桜』。平家滅亡後、兄・源頼朝と対立し、京の都を追われた源義経の運命を描く作品だが、生き延びた平家の残党と巻き込まれた人々の悲劇を共に描きだす。後に歌舞伎の演目にもなり、三大歌舞伎の一つに数えられる。
『渡海屋の段』は、『義経千本桜』の二段目にあたる。摂津大物浦の廻船業・渡海屋に、逃亡した源義経主従を追って、相模五郎らが現れる。渡海屋の主人・銀平は船には先客がいると告げ、腕づくで船を奪おうとする相模らを追い払う。この先客こそが果たして源義経主従であった。恩にきる義経らだが、実は銀平たち渡海屋にも重大な秘密があった。銀平の本当の名前は、平知盛。平氏再興をめざし、義経主従へ復讐せんと時を窺っていたのだった・・・。
迫力満点の語りを、名手・竹本綱大夫の義太夫でお楽しみください。