【時代小説・朗読】 宮部みゆき 朗読傑作集 - てんびんばかり, 泣き童子, 置いてけ堀, くりから御殿（ＣＤ６枚組／送料サービス）

宮部みゆきの小説は、現代小説、時代小説に限らず、あまり後味がよくない。けれど、なぜか引き付けられる。読みたいと思わせる。なぜだろうか？
私は、描かれる人間たちが私たちそのものだからではないか、と思う。彼らは、みな平凡である。真面目に日々を送り、人並みに喜び、人並みに怒り、人並みに嫉妬にかられる・・・。英雄的資質どころか、悪人ですらない・・・私たちである。しかし、その平々凡々たる私たちの分身たちが、ある出来事をきっかけに、欲や妬み、歓喜、不安を感じ、善人になったり悪人になったりする。私たちは宮部みゆきの小説の中でもう一つの人生を体験する。そして、人生はほとんどほろ苦い・・・宮部みゆき小説の魅力、それはあったかもしれない、これからあるかもしれない、私やあなたの人生なのかもしれない。

宮部みゆき 時代小説 朗読CD集 収録内容

共に両親を失い、姉妹として暮らしてきた幼馴染の二人。良縁が舞い込んだ妹は、これまでのことをすべて忘れ、去っていった。残された姉は妬みややるせなさ、さまざまな感情を抱え込んだまま、日々を過ごしていた。そして妹も・・・。

宮部みゆきの『三島屋変調百物語』の一つ。ある日、三島屋の前で一人の老人が行き倒れる。店総出の看病の末、なんとか身を起こすまでに回復した老人が語る哀しくも恐ろしいお話。それは老人が引き取った、物言わぬ一人の幼な子の話だった・・・・

三島屋に灯庵老人に連れられ、老境の商人夫婦がやってきた。商人は十歳の頃、山津波で一族親類をすべて失い、網元の屋敷に引き取られたという。古い網本の御殿で不思議な体験をすることになるのだが・・・。宮部みゆき『三島屋変調百物語』から感動もの一編を収録。

魚屋の夫、庄太を何者かに殺されたおしづ。幼い子供を抱え、泣き暮らすある日、錦糸堀、通称、置いてけ堀の噂を聞く。堀に通りかかると、妖怪、岸涯小僧が魚をよこせと迫ってくるという。岸涯小僧の正体が庄太ではないかと、おしづは置いてけ堀へ向かうのだが・・・。