《青森の巫女・イタコ》 中村タケの記録 - 口寄せ, オシラ遊ばせ, 呪いなど（ＣＤ６枚＋ＤＶＤ２枚）

　恐山大祭（青森）などで知られる津軽地方の信仰習俗、イタコ。ドラマや小説でも時折取り上げられる『口寄せ』や『オシラ遊ばせ』等を執り行う巫女である。本作には津軽のイタコ、中村タケ氏の貴重な音声と映像が収録されている。
死者、行方不明者、祖霊などと生きている者の交感の仲介者として、死者や祖霊の言葉を伝える『口寄せ』や、民間信仰『おしら様』の御神体である二体の人形を遊ばせる『オシラ遊ばせ』が有名だが、呪い（マジナイ）やウラナイなど、イタコの地域での役割は幅広い。
　ドラマや小説では霊的側面が強調されがちだが、イタコになるには厳しい修行が必要で、実際にはその修行の中で、相手の心情を読み取るコールドリーディング能力を培い、地域の心理カウンセラー的役割を果たしていたと言われている。生活環境が激変し、イタコにあえてなる人も少ないことから、本作に遺されたイタコの音源は貴重な学術資料ともなると思われる。

• ＤＶＤ２枚組（約５時間48分収録／英文テロップ併記）
• ＣＤ６枚組（収録内容はＤＶＤと同じ）
• 解説書（Ａ４判／本文328ページ・英文概説付・全唱えごとの文字起こし収載）
• 文化庁芸術祭レコード部門優秀賞受賞作品