仏教講演・専修念仏の教え～法然と明恵,承元の法難,親鸞と一遍,親鸞と歎異抄～（ＣＤ５枚組）

平安中期の阿弥陀聖・空也上人の称名念仏に端を発した浄土信仰は、法然上人、親鸞聖人、一遍上人らの専修念仏により、鎌倉初期には日本仏教の大きな流れの一つに位置づけられるようになる。
「南無阿弥陀仏」のお念仏と、阿弥陀さまのご本願により誰もが救われるというわかりやすい教えは、飢饉が続く中世の人々の心の拠所となったが、他力による救いを一途に信じる教えは誤解も生みやすく、当時も様々な論争と緊張を巻き起こしたようだ。鎌倉時代の浄土信仰の姿とその意味を３名の先生方にお話しいただきます。

仏教講演・専修念仏の教え 収録講演

• 法然と明恵～鎌倉仏教の宗教対立～　（町田宗鳳）

  鎌倉仏教の対極をなす法然（浄土宗）と明恵（華厳宗）。法然が民衆に寄り添い、絶対他力の専修念仏を主張したのに対し、明恵は理想の仏陀をめざしあくまで自力による修行を重要とし、法然を激しく論難した。異なる思想を持つ二人の名僧の生きざまと人間的魅力に広島大学大学院総合研究科教授・町田宗鳳氏が迫ります。法然と明恵の対立の真意を探りあて、現代仏教に警鐘を打ち鳴らす名講演。

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• 法然と親鸞を流罪に処す　（山折哲雄）

  鎌倉時代初期、後鳥羽上皇は当時の新興仏教であった法然上人の専修念仏の教えを危険と判断。４人の高弟を死罪、８人を流刑に処す。この『承元の法難』により、指導者であった法然上人を土佐へ、善信房綽空（後の親鸞聖人）を越後へ流罪となるが、法然は讃岐と大阪で、流刑地に赴いた親鸞はその越後で、さらなる布教に挑む。浄土への想いを庶民に広げた法然上人と親鸞聖人の教義の深みに迫る。

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• 親鸞と一遍～漂泊の人生～　（松永伍一）

  漂泊者として生きた鎌倉時代の二人の念仏者、親鸞と一遍。後に、親鸞は浄土真宗、一遍は時宗の開祖として名を遺すのだが、彼らの念仏の捉え方、布教の仕方は対比的ともいえるほど大きく異なっていた。 二人の漂泊者の生き方を、たくまざるユーモアと、わかりやすい口調で解き明かす。敗者や弱者への共感を叙情的に歌い上げる詩人・松永伍一が語る私たちの生きる指針、ぜひお聴きください。

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• 親鸞と歎異抄　（山折哲雄）

  異説を正し、親鸞聖人の教えを忠実に伝えようと、唯円坊が師の思想のエッセンスを集めて編纂した『歎異抄』。「善人なおもて往生を遂ぐ。いわんや悪人をや」の悪人正機説で知られる。蓮如上人が『御文章（お文）』でも随所に引用されたことでも知られる。現代人にとって示唆に富んだ内容が多く含まれる『歎異抄』を、宗教学者・山折哲雄氏が紐解き、親鸞聖人の思想の本質に迫る。