若いご夫婦にとって、赤ちゃんの誕生は胸ときめく時であり、生命の神秘に触れる貴重な瞬間でもあります。日頃鈍感な私でも、やはり初めて子供が生まれた時には、素直に「神様ありがとう」と思いました。
そんな素直な気持ちで、お宮詣りを楽しんで下さい。

子供の健やかな成長を願う親心は今も昔も変わりはないのでしょう。

古くからお宮詣りは行われていたようで、お宮詣りは「産土詣り(うぶずなまいり)」と呼ばれ、その土地の氏神様に赤ちゃん誕生の感謝と、その子の成長を祈願した儀式でした。医学が進歩していない時代は、その願いはより切実だったと思います。
また、かつてはお産はけがれたものだと考えられていたため、別名「忌み明けの祝」とも言い、産婦の忌み明けの儀式を兼ねていました。

江戸時代にはお宮詣りの帰途に大老宅へ挨拶に立ち寄る風習が生まれ、それ以来庶民の間でもこれにならって、親類や知人宅にお宮詣りの報告と挨拶に行く習慣が広がっていったと言われています。
 お宮詣りは、男児は生後三十一日目に、女児は三十日目に行うのが定説とされていたようですが、地域によっては他説もあり、あまりしきたりにこだわらず、まず子供の健康状態を第一に考えることが大切です。
ただ早いのは不可だとされています。遅くなるのは一般的に良しと言われていますので、天候の良い時期や吉日を選んでお詣りされるとよいでしょう。また、真冬に生まれた赤ちゃんのお宮詣りを春頃にするのも問題は無いとされています。
父方の祖母が赤ちゃんを抱くのがお宮詣りの一般的なスタイルですが、これは産後の母体を気づかっての事とお産を忌む風習の名残で母親以外の女性が抱いてお詣りしたものと思われます。
私の家でも1982年に長女が生まれた時には、家内のお詣りに伴わず、いまだに文句を言われますが、その頃まではまだこの風習が残っていました。
でも近年は夫婦共々皆でお参りするのが一般的です。また親類・知人などとお祝いの宴を催されるなど、各家庭それぞれの方法でなごやかに祝福されているようです。
お詣りは神社や氏神様の神前でそろって祈願するだけでもかまいませんが、社務所に申し出て、神官のお祓いを受け祝詞をあげてもらいます。
 初着は、母方の里から贈られるのが一般的です。女の子は優しい可愛い友禅柄、男の子は五ツ紋をつけた強く元気な柄の着物です。この着物は七五三でも着られます。
京都では、赤ちゃんのおでこに、男の子は「大」、女の子は「小」と朱で書いてお詣りします。これは、各自で書きますので、なかなかうまく書けないものでそれもまたほほえましいものです。
赤ちゃんはよだれ掛けをし、帽子をかぶります。種類として大黒頭巾と普通のベビー帽とがあります。地域によってはどうしても大黒頭巾が必須というところもありますが、ベビー帽の方が赤ちゃんは楽なようです。
初着は赤ちゃんを抱いた人の前に掛け、背中で紐をくくります、紐には末広・お守り袋・犬張子・でんでん太鼓などを通し、飾ります。
京都では出産祝いに「宮参りの扇」を贈る習慣がありますので、頂いたものはすべて飾ります。にぎやかなほど沢山の方から祝福を受けたということです。
赤ちゃん自体は別に用意した一ツ身の綿入れの着物に包み抱きます。最近はベビードレスで代用される方もあります。
赤ちゃんにとっては、初めての長時間の外出なので、「ダッコバンド」などを使用されますと大変楽に抱けます。
写真を撮る時はどうしても初着の袖が正面の一番良い柄を隠してしまうので、両袖を後でコーリンベルトなどで止めると、格好良く撮れます。
以上、お客様に良く質問される点などを書いてみました。
子供の成長につれ、
食べ初め・初節句・七五三と色々な儀式がありますが、昔から行われてきたものには、やはりそれなりの意義があるように思います。
子供は3歳までで親に受けた恩を返すとも言われていますが、子供の成長には目を見張るものがありますので、貴重な時間をじっくり楽しんで下さい。

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               岩田呉服店    岩田 信一

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