味の黄金比
 黄金比を使った建築物は何処から見ても美しいという究極の比率が黄金比でありますが、味にも実は黄金比のようなものがあります。

 これを知ったうえでお料理されますと失敗の少ない無難なお料理の味付けをすることができます。
実はお醤油と味醂を同じ割合で味付けするという簡単なことなのです。

 例えば、お出汁600cc50ccづつの淡口醤油と味醂を入れます。 

 これを比率にしますと 出汁12: 淡口醤油1: 味醂1 という割合になります。

 これはうどんそばの汁に用いる割合ですが、一度お試しください。

 絶対に今まで召し上がっておられた「おうどん」「おそば」とは別物になります。

あー、私には目に浮かびます。

残業で遅くに帰られたご主人様と奥様の会話が。
夫 : 「ただいま」
妻 : 「おかえり、えらい遅かったやないの」
夫 : 「ちょっと急ぎの仕事が残ってたからな」
妻 : 「ほんまかいな、そこらで飲んでたんちゃうの」
夫 : 「ほんまやがな、そやから腹減ってしゃあないわ、なんか作ってくれ」
妻 : 「もうー、おうどんしかないえ」
夫 : 「うどんかぁー、(またあの水臭いうどんか)まぁええわ、すぐして」
妻 : 「(今げんなりした顔したな、黄金比でびっくりさしたるわい) はい」
―――――――――― うどん出来上がる ――――――――――――
夫 : 「いただきます。ヅルヅル、おいこれどこのうどんや」
妻 : 「なに言うてんの、駅前のスーパーのうどんやないの」
夫 : 「出汁も買ってきたんかいな」
妻 : 「なに言うてんの、あたしが今作ったんやないの」
夫 :「えっ、君作ったんか(信じられん)美味しいわ、食べたことないほど美味しい。ヅルヅル、料理のうまい奥さん持ったら幸せ言うけどほんまやな」
妻 : 「いやかなんわー、けったいなこと言うて恥ずかしいわ(ポーッ)」
と、ほのぼのとする光景が現出するのは間違いなしです。  

 ところがきっちり測らずに適当に入れ、少しだけ醤油が味醂よりも多かったりしますと、とたんに味のバランスは崩れ、やたら辛い出汁に感じます。

 つまりぴっちり同割 りで調味料を入れる事によって味のバランスが非常に釣り合うのです。

 また女性の方は、と言うと語弊があるかもしれませんが、私の経験上最初のうちはきっちり計られても、10回目ぐらいになりますと、もう目分量になってしまわれる方が多ございます。

 10回目も100回目もきっちりと計る、これがお料理上手の素敵な奥様になるコツではないでしょうか。

 しかし、一方で「調味料同割だけ」と言いますと「なーんやそんな簡単なことなら料理人なんていらんがな」と思われますと私は職を失いますので、言わせていただきますとこの黄金比はあまりプロの料理人は使いません、特に京都の料理人は。

 なぜかと言いますと醤油の代わりに塩をよく使うからです。

 この塩という代物はやっかいな調味料で少しでも多いと極端に塩辛くなりますし、少ないと水臭くボケみたいになりますので、「ここ」という味の場所、つまり味という抽象的なものをデーターとして記憶しているのが、プロの料理人なのであります。

 その「ここ」という場所のレベルの違いが料理人の腕の違いと言えます。

 というわけで黄金比を使えば簡単に味付け出来るものを塩を使い、見た目にも白く焚きあげ美しく、それでいてしっかりと味がついている、これが京都の味だと思います。

 ところでこの黄金比というべき調味料同割りですが、色んなものに活用できます。是非一度お試しください。

出汁 淡口醤油 味醂
14 炊き込み御飯の出汁
12 うどん、そば出汁 うどんすきや魚介類の鍋の出汁
砂糖をお好みで入れる事により、かぼちゃや小芋、大根とあげ等のお惣菜物にぴったりです。
ほとんどの野菜の焚き物はこれで。
天出し汁
そうめんのつけ汁
また砂糖をお好みで入れる事により親子丼やてんぷら丼、牛丼などに対応できます。
3.5 ざるそばや冷やしうどんのつけ汁、また湯豆腐のつけ汁
冷奴などにかけると美味

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