小林流衣更え(ころもがえ)の一考察

衣更えとは!?
現在きものの世界で言われている衣更えのルールとは、「10月1日から5月31日までは袷
(あわせ)のきものを着て、6月と9月は単衣(ひとえ)のものを。 7月・8月の盛夏は薄物
(うすもの)。絽は6月末に着ても良いけれど、紗(しゃ)や麻は7・8月しか着てはいけない」
となっています。
このきものに合わせて、長襦袢も5月は単衣、6月は単衣か絽、7・8月は絽・紗・麻。9月は絽か単衣。それにあわせて半衿も決まっています。 足袋も10月から5月までは袷仕立て、9・6月は単衣で7・8月は麻のものということになっています。
なんでこんな決まりが出来たのでしょうか?
先ず考えられるのは、明治に入って太陽暦が使われるようになったとき、当時の軍服や制服を着ていた層に当てはめて6月1日、10月1日が衣更えといわれるようになって、それをきものにも当てはめたと考えられます。
2番目は生活にゆとりのある上流社会のマナーとして緊張を持続させながら、季節と着るもの、家具調度類、食べ物などを変えていく事で、生活をじっくり楽しんでいたのではないかと考えられます。

それが戦後、上流・中流・下層階級みんな含めて絹のきものを買えるようになった。その時代の流れの中で商業主義がそのルールを行き渡らせるのに拍車を掛けたと考えられます。 
その証拠に平安時代は麻の和服を年中着ていた時期もあるり、また、武士が年中着ていた裃 (かみしも)も麻製なんです。

例えば沖縄では?
 伝統的な装いは琉装(りゅうそう)という対丈(ついたけ)(おはしょり分なしでし立てる事)で、ひも1本で和服を着ています。帯も細く、涼しく着る工夫がされています。

 しかしこの3〜40年のあいだに一般的に大和風の着方をするようになったそうです。
 もともと南北に長い国、北海道と沖縄では、気温差が摂氏20度もある国に一つのルールが当てはまるはずがありません。
では、どのようにしたらよいのでしょうか?
 堅苦しい決まりはおいといて、気温、気候を最重要の基準として考えましょう。 
関西を中心とした本州の新しい衣更えです。もちろん他の地域は其の地域の気候によってアレンジしてください。
11月〜3月までは、袷のきもの、長襦袢は単衣、袖は無双(むそう)(二重仕立てのこと)
4月・5月は気温の寒暖の差が激しいので袷と単衣を使い分ける。長襦袢は単衣。5月の単衣はとくに軽い 生地のもの。大島紬、塩沢紬、縮緬(ちりめん)や綸子(りんず)の単衣またはお召し。長襦袢は絽縮緬や絽 紬または絽。帯も気温によっては夏物を。

6月・7月・8月・9月は薄物で。絽、紗、麻、絽縮緬、夏塩沢、夏結城、夏大島など。帯は夏物。長襦袢、半衿 もそれにあわせて。特に9月は盛夏と初秋のころで初旬は夏物、下旬は単衣でと気温によって着分けをしまし ょう。
10月は、気温によって、単衣か袷を。10月の単衣は厚手の紬や縮緬を。長襦袢は気温によって夏物か単衣 かを決めてください。
あとは、下着と長襦袢の調節で快適なきもの生活が送れるでしょう。上記の衣更えの中ではとくにフォーマル、セミフォーマル、カジュアルのきものには触れておりませんがそれはそれこそ常識の範囲内でよいと思いますがご質問がある方は筆者までご質問のメールを。

著者自身、暑がりの寒がりの大汗かきなので、年中単衣のきものをきています。長襦袢は着ず半襦袢と、ステテコかパッチ。これは気温次第。夏用の半襦袢は袖が無いのもあります。厳冬の時は肌着の暖かいもの、ショール、とんび(男物のの外套)などを使います。真夏はさすがに何を着ても暑いのでなるべく涼しい素材のものを選ぶようにしています。因みに下着はきものの時は褌(ふんどし)です。

これであなたのきものライフもすっきり!
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