「錯誤(さくご)」


勘違いをした場合の対処方法

京昆布「千波(ちなみ)」従業員  自分は、学生の頃から店頭販売のお手伝いをさせてもらっている店舗で、法律実務に就いた今でも引き続きそのお手伝いを少しだけさせてもらっている。

 店頭または電話やFAX等での、お客様とのやり取りの中で、法解釈上の対処の仕方と、社会一般上の対処のそれとの差異に、気付く時がある。

 民法の中に「錯誤(さくご)」という規定についての条文がある。簡単にいうと、勘違いをした場合の対処方法である。

 例えば、果物屋さんの店頭で、お客さんが、オレンジとミカンが同じ物だと思い込んでしまっていて、店頭で、「ミカンをください。」と言った場合や、頭の中では、「オレンジを買おう。」と思って、お店にやって来て、店頭で「ミカンをください。」と言ってしまった場合などである。

 このお客さんは、どちらも実際のところは「オレンジ」が、欲しいわけである。ところが、お店側としては、「ミカン、ミカン。」と言われればミカンを包装して売渡すしか他ない。しかしお客さんは、家に帰って袋を開けて「なんで、ミカンが入ってんの?」となってしまう。





「買ったのは、“ミカン”じゃなくて、“オレンジ”よ!」
「買ったのは、“ミカン”じゃなくて、“オレンジ”よ!」
 原則としてこれらの場合は、お客さんは、錯誤を理由に先のやり取りである売買契約の無効を主張して、そのミカンを返還するのと引換えに、支払った代金の返還請求をすることが出来る。但し例外として、お店側は「ミカン、ミカン。」とお客さんが言っているが、(いつもはオレンジを買って行く常連さん等であった場合に)ホントはオレンジのことを指していると気付いて、「ミカンでいいの?」と尋ねたりしたにもかかわらず、お客さんが「ミカン、ミカン。」と言ってしまっていた場合には、先の主張は出来なくなる。普通一般人に法律が期待している注意義務に欠けていては、保護できないという結論なのである。
「いらっしゃいませ!」  しかし、そこは人対人のやりとり。しかも欲しい物を探しにお店へやって来るお客さんと、お客さんが欲しい物を売るお店との間でのことである。法律的に解釈すると両者は利害が対立していることになるが、同時に、どちらも同じ方向を向いているともいえる。なぜならお店側は、お客さんが「オレンジを買いたい」お客さんだと判れば、出来る限りそれに沿う形の対応をしているのをよく見かける。つまりお店も、お客さんが欲しいものを買って貰いたいのである。
 民法をはじめその他諸々の法律は、私人の利害関係を調整するものとされているが、その前提として相手の意思もふまえた応対(意思表示)をお互いにとれることができれば、何も「錯誤」だの、法解釈などと堅苦しい言葉を並べる必要はないのであるが、些細なことで噛合わなくなるのもまた人対人のやりとりのようである。
京昆布「千波(ちなみ)」従業員

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京昆布「千波(ちなみ)」
有限会社 千波(ちなみ)

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