「京の珍味屋、おばさんのひとり言」
京佃煮と珍味の店 須磨屋


京の町からはどこからでも山が見えます。東山、北山、西山、その連なった山々に三方を囲まれ、そろそろ木枯らしが吹き始め本格的な底冷え(そこびえ)の冬を迎えます。
この季節、山海の幸とともに充実した”うまみ”に富む素材が出揃います。

もともと先人の知恵によって素材の「旬」の味を生かし、うまみを抽出し保存することを目的とした食材に珍味といわれる物が多くあります。

そんなこんなで、今日は、取り留めのない珍味屋のおばさんのひとり言でございます。よろしければ少しお付き合いください。

「昔は、ほんまに寒かったえ、店の床をくりぬいて練炭を入れて、表はふきざらしやし、帰るときは雨戸を閉めて帰ったんえ」

と須磨屋の元気なおばさん(今も現役80歳)は言わはります。


昭和33年に四条大宮付近の四条通に面したところでお店を始め、当時は市電やトローリーバスが走り阪急電車さんも四条大宮が終点。


そして嵐電は今も昔のままのスタイルでノスタルジックな風情が心を癒してくれます。


「かすりの着物に真っ白の上っ張り、ぞうりをはいて仕事してたんや、朝早よから夜おそぉまで、ほんま、よう体がもったもんやな」

「すぐき、千枚漬けなんかは寒いところで樽に詰めて縄で縛る、力がいるし手はあかぎれだらけ」

「店の中にハカリを吊って、佃煮なんかはハカリに掛けて竹の皮に包んでたんえ」

「こうして鍛えといたさかい今も元気なんや、ありがたいありがたい、若いもんにはまだまだ負けまへん」


とますます元気です。

二年前、四条堀川から少し西へ行ったところに新装移転いたしました。
小さな店ですが四百種類ほどの珍味を取り揃えています。

ぜひ一度お立ち寄りください。今年は「午」、皆様のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。

京都市下京区四条堀川西入る南側
京佃煮と珍味の店 須磨屋
TEL 075-841-2055