新茶で一服
一服しと〜くれやす
ちょっぴり辛口、商品情報PartU
十月十五日号「宇治茶で一服」に引き続き二度目のお邪魔です
少々お付き合い下さいませ
もうすぐ新茶がでます!
旬の香りをお楽しみ下さい
♪夏も近づく八十八夜〜♪♪
 今、宇治と、その周辺では新茶がすくすくと育ってます。

 桜も散り終え、ウグイスが鳴き交わすのどかな茶園で、四月下旬から五月一杯、宇治のお茶が作られます。
茶畑
       まずは 喫茶去
※「きっさこ」と読みます = 一服お上がり下さいの意
新茶の見分け方は?
新茶って
普通のお茶と、どう違うか知ったはりますか?
 新茶も普通のお茶も、元々は同じもんです。

 摘み採られた新芽は蒸して発酵を止めたあと、乾燥しながら揉み込まれますが、仕上げの乾燥をごく軽く施しただけで、お届けするのがいわゆる「新茶」です。そのため茎や粉が若干混ざってます。(しっかり茎や粉を除く作業をすると、その間空気にさらすので新茶特有の香りが逃げてしまいます。)また、軽い乾燥のため、新茶特有の香りが活きますが、日持ちがしません。

 真空や窒素ガス充填でも、本物の新茶の香味は保ちにくいものです。

 ひと月程度で飲みきれる量がお求めの目安です。

 また、茎・粉を抜ききっていないとは言っても、茶葉がしっかりしているのは宇治茶本来の特徴です。極端に粉の多いお茶(緑色に濁ります)、火香(ひか=極端に強い乾燥香)の強いお茶は、他県産を疑って良いでしょう。


良い宇治茶の色
粉の多いお茶の色
良い宇治茶の色 粉の多いお茶の色
(他県産!)
           
 これに対し、年間通してご用意しますのは「仕上げ茶」と呼びます。これは「葉」「茎=雁金(かりがね)」「粒状=真(じん)」「粉茶」に選別し、しっかりと乾燥をかけます。この乾燥で新茶特有の香気がとんでしまいます(お茶としての芳香は勿論残ります)。そのかわりに年間を通じて安定した品質を保てるわけです。

 また秋以降の仕上げ茶は熟成が進み、コクもあり深みのある味をお楽しみ頂けます。

 上記の「葉」の部分を「仕上げ茶」または「本茶」と呼び、その他を「出物=でもの」と呼びます。
新茶って何時でるの?
新茶が楽しめるのはほんのひととき
 昨今、年間を通じて「新茶はありますか?」とのお問い合せを頂きます。

 新茶は、四月の声と共に鹿児島の離島物と呼ばれる物が出始め、次いで鹿児島産(知覧等)が例年で四月の二十日前後、静岡産がその一週間程度あとに、そして宇治の新茶は四月の末から連休にかけて出始めるのが例年のパターンです。

 ただはしりの新茶は高価なものが多く、質的には比較的高いものの価格に見合うものが少ないようです。

 基本的に最盛期を迎える五月の連休明けの品が香味がよく乗り、価格も落ち着いて良いかと存じます。

 そういう訳で、例えば7月以降に新茶はあり得ません。勿論、秋でさえお茶は一部の地域で生産されますし、今できたという意味ではそれも新茶かも知れませんが、いわゆる香り豊かな爽やかな新茶は、五月から六月半ばまでと申して差し支えないと思います。

 爽やかな香りと、いい意味での苦渋味を旬である初夏の息吹のもと楽しんで頂くのが新茶と言いきって良いと思います。

 尚、茶道の心得のある方々はご存じのことですが、秋に「口切り」という行事があります。

 口切りとは、その年の春に製茶されたお茶(つまり新茶)を、壺に入れ、密封の上、秋まで寝かせておきます。そうすることで、新茶特有のとげとげしさが丸くなり、旨味とコクが乗るわけです。

 茶道では特に「口切りの茶事」という会が催されたりしますが、伝統的な茶のあり方を心がけて商う者は、抹茶はもとより、煎茶・玉露でもこの作業を行います。

 この口切り茶を、一部混同して新茶と呼ぶ人が最近増えているようです。

 「2000年10月15日掲載」のよもやま話でも申しましたが、昨今、食べ物の味についてやたら「甘い・まろやか」がもてはやされており、茶農家においても柔らかな味造りが主流となりつつあります。勿論、マイルド嗜好の現代人のニーズに対応した農業という意味で、それなりの評価を拒むつもりはありません。

 しかしながら、新茶とは、爽やかな意味での苦渋味とコクが強く、茶葉そのものの香りがたつものと云うのが本来の姿です。

 まろやかなお味の茶とは、肥料をしっかりやること・茶園に覆いをかけて栽培すること等で作られますが、反作用として香気が薄れ、新茶らしさを感じられないと考えます。せっかくの季節感を味わうならば、良い意味での苦渋味のある香りのたつ新茶をお奨めします。

当店ホームページ『蓬莱堂茶舗』もご覧下さい。

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