1000年の都、京都。その歴史を共に歩んだ伝統工芸品の1つに「京印章」があります。
京都の歴史と共に歩んだハンコ、京印章のはなしをお聞き下さい。
<表、京都でウラ東京?>

1000円札を見て下さい。表裏両面にハンコの印影が印刷されています。表(漱石
の姿のある方)は「総裁之印」裏は「発券局長」の文字。同じに見える2つの印影で
すが表側は「京印章」風、裏側は「東京」風の文字なのです。その違いがわかります
か?二つの印影は共に「てん書体」という書体で作成されていますが表側は「印てん」
裏側は「小てん」とそれぞれ違う時代に考案された書体なのです。「印てん」は中国
の漢代、印章用に考案されたもので伸びやかな直線でおおらかで素朴な書体。一方、
「小てん」は曲線が多く複雑で丸みを帯びた書体です。「京印章」は「印てん」をよ
く用い、東京を中心とする関東地方は「小てん」をよく用いるのです
<「京印章」の特徴>

平安遷都以来、京都には多くの官庁、寺社が造営され、そこで使用されるハンコは認
証・決裁の手段として、あるいは権威を象徴するしるしとして常にそれに相応しい技
術と風格が求められました。すなわち「有職故実(朝廷や公家の礼式、行事、官職な
どの先例、典故)」をよくわきまえ「素朴」「清楚」「典雅(正しく整い上品な様)」
を範とする彫刻技術が求められました。
)「印てん」を主とした典雅な書体
「印てん」は「有職故実」をよくあらわす書体として「京印章」を代表する書体です。
典雅で安定感のあるこの書体は円、方形など印の材料の形にかかわらずよくなじむハ
ンコのための書体です。
)素朴で伸びやかな作風
「印てん」を主とした「京印章」は必然、素朴で伸びやかな作風の印となります。こ
のことは使用者から見ると彫刻技術の良悪が一見してわかり、飽きがこず使用と共に
愛着が生まれ、一方技術者にとってはその水準が常に鋭く問われ技術の向上を不断に
追求しなければならず緊張感ある作品を生み出すことになります。
)作家の個性が生きる自由で柔軟な発想
「京印章」の源流は「有職故実」ですが時代の変遷と共にハンコの使用が文人墨客、
商家、一般庶民へ広がるにつれ、その使用目的も著しく多様化しました。それぞれの
TPOに合わせ「素朴」「清楚」「典雅」な印章を彫刻するため個性的で多彩な技術者
が各時代に輩出しました。「大日本国璽」「天皇御璽」を制作した安部井櫟堂(あべ
いれきどう)やてん刻の園田湖城河井せん廬等、現在繋がる一連の作家達も多く輩
出しています。
<手作りの「京印章」で爽やかな自信を>

今もこの京都で現代の匠達が営々と「京印章」制作に取り組んでいます。ハンコは
「一生もの」だからこそ永く使用する程磨かれるものです。歴史に育まれた技術や智
恵、意匠は人の心にあるもの。「ロボット彫刻」を売り物にした効率重視のハンコが
氾濫する昨今、個人で使うものだからこそ美しく個性輝く「京印章」があることを是
非皆様に知っていただきたいとおもいます。
伝統の逸品を実際手にした時きっと皆様
のなかに爽やかな自信がうまれるものと信じてやみません。又、「京印章」を受け継
ぐ者
としてその魅力を皆様に発信するよう努力してまいりたいと思います。今後とも
ご支援の程よろしくおねがいします。
有限会社第一印房  代表取締役中野雅二
京都市下京区七条大宮東入る  
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