宇治茶で一服
お茶の種類と見分け方
抹茶のこと

 
葭簾(よしず)と藁の覆い下で丹念に栽培した茶葉を、蒸して発酵を止めた後、乾燥させた葉「碾茶=てんちゃ」を石臼で挽き上げたお茶で、茶道で使われるお茶として有名です。

 ただ、茶道に限らず、日常のお茶として、気軽に楽しんでいただければと存じます。洋菓子やチョコレートなどとも相性が良く、またお茶だけを楽しまれても良いかと存じます。

 近年では、ケーキ・アイスクリームなどのお菓子や、和・洋食の素材としてもすっかり定着しております。

 生産量・品質とも宇治茶が他の追随を許さない、最も得意とするお茶です。
玉露のこと
 碾茶と同じく覆い下で栽培されたお茶を蒸した後、揉みあげたお茶で、まったりとした甘み・旨みと、藁や青海苔のようないわゆる「覆い香」を楽しみます。

 甘いだけの玉露と、この覆い香・それから醸し出される覆い味を伴った玉露とではその差は歴然です。

 よく熱湯玉露というお茶があります。お茶屋が100軒寄れば95軒までは「熱湯で淹れてもよい玉露」と表現すると思います。けど、私の考えでは、熱湯で淹れないと美味しくは出ないのが熱湯玉露だと思います。
 熱湯玉露と賞されるお茶は、甘み・旨味があっても、上記の覆い香・覆い味に乏しいものがあります。だから、熱いお湯で苦渋味を引き出し、よく言えば調和させ、悪く言えばごまかして飲むわけです。


 その点、本当の玉露は低温のお湯でじっくり淹れると甘み・旨味・覆い香・覆い味が渾然一体となり、また高温で淹れると甘み・旨味と、苦渋味の調和した味になります。

 玉露こそ、熱いお湯でも冷ましたお湯でもそれなりに出てくれます。その点お間違いなきように!


 また独特の「覆い香」「覆い味」をじっくりとお楽しみ頂くためにも、急須(茶葉)にお湯を注いでから、最低でも一分間、出来れば三分程度おいてから茶碗に注ぐのがコツです。

 良品の水色は淡いクリーム色で、透明感があります。下級品ほど緑を帯び、また粉をしっかり抜いてないものも、緑色に出ます。
 また、地色が緑っぽいものは九州の八女茶によく見受けられます。
煎茶のこと
 日本茶と言えば煎茶を指すほど、言うなれば日本茶の代名詞とも言えるお茶です。

 まず、苦渋味のあることが煎茶の基本条件です。下級品ほど苦渋味がしっかりとし、また高級品ほど後口に甘みが残ります。

 お食事時には中・下級煎茶の程良い苦渋味が合うかと存じます。
また、お茶そのものを味わいたい時、お菓子等で楽しみたい時などは、高級品がお奨めです。

 なお、宇治茶では、基本的には「火入れ」と呼ばれる乾燥香を避け、茶葉そのものの香りを大切に保って製茶致します。従って、湯呑を口に含む瞬間にスッと感じる淡い植物性の香りを尊びます。ただ、「火入れこそお茶屋の技術」というお店もたくさんあります。

 このあたり専門店にはそれぞれ個性がありますから、ご自分に合うお茶は歩いて探すしかありません。

 ただ、水色は、俗に言う山吹色(レモンの皮のような色)で、茶碗の底までスカッと透明に見えるのが、伝統的な宇治茶の特徴です。水が緑に濁るのは、粉を抜いていない手抜きのお茶か、最近流行の深蒸し茶です。

 深蒸しという製法自体が、宇治にないことはないのですが、静岡・狭山が本場で、むしろ伝統的な宇治茶の特性は若蒸しにあります。
 
 元来深蒸しという製法は、苦渋味の極端に強いお茶を柔らかな口当たりにするため静岡で考えられた製法と聞き及びます。元々柔らかな味の宇治茶を深蒸しにする理由がないのです。

 また最近、緑に濁る方が、粉まで飲める、大げさに言うと食物繊維の摂取になるとのことで、深蒸し茶が売れているようです。
 ただ、緑に濁るお茶なら、何も高いお金を出して深蒸し茶にしなくとも、昔からある粉茶(玉露粉と煎茶粉があります)にすれば、安価で味もよく出ます。

 誤解しないで頂きたいのは、深蒸し茶批判をしているのではないということです。あくまで、伝統的な宇治茶の路線とは異なると言うことを申し上げています。

番茶のこと
熱湯で淹れ、ガブガブ飲めるお茶を総称して番茶と呼びます。土地土地で最も異なるのが番茶です。

・京番茶 ヤカンで3〜5分ほど煮出します。朝のうちに一日分を作り置きし、気の向いた時にヤカンから汲んで飲みます。また、京番茶で川魚等を煮炊きすると、骨が柔らかくなり、また臭みもとれます。

・焙じ茶 下級煎茶や、川柳(かわやなぎ)と呼ばれる葉の粗いお茶を焙煎したお茶で、こうばしさを楽しむお茶です。

・川 柳 煎茶を粗くしたような番茶で、軽い味と、青臭さを楽しむお茶です。俗に「青い番茶」と呼ばれるお茶で、粗茶(あらちゃ)と呼ばれる方もおられます。ただ、本来「粗茶」とは製茶前の精選していないお茶を指しますので、玉露・煎茶にも粗茶の過程はあり、やや混同されがちです。

 

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