2月の料理
  『京のおばんざい・突き大根と厚揚げの焚いたん』


2月の京都は底冷えの季節。私もコタツで丸くなっております。

昨今京都ではやたらと 「おばんざい」 なるものがもてはやされておりますが、元を正せば 京都のまかない料理であり、家庭料理であり、特別どうのこうのという代物でない と思いますが、流行りには勝てず今回は京都のおばんざいを一品と思っております。

先日家で小学校一年生になる愚息と何気ない話をしておりますと、

「某店のハンバーグってハンバーグの中で一番美味しいな」 と言い出しました。
某店とはハンバーグ専門のファミレスチェーン店のことで、

「何?アソコのが一番美味しいてか?息子よ、それは了見違いもはなはだしいぞ。あれはな、大量に作り、保存、輸送、調理するために色々な工夫がしてあり、あの均一の薄さ、異常な肉汁・・・・(あまり言うと他店の営業妨害で訴えられそうなのでカット)という訳でな、あれが一番美味しいなんていうのは、料理屋の息子として問題がある。」

と、ここまで言い聞かせていると、丁度今歯が生え変わるところで前歯が2本とも無く、間抜けの見本みたいな顔で私の顔を眺めているので、
「チェッ、難しいこと言ってもまだ解からんな、よし、論より証拠、いやこれも解らんな、百聞は一見にしかず、いやこれもいかんとにかく日本で一番美味しいハンバーグちゅうもんをお父さんが作ったるからな」

と言うわけで 「求道ハンバーグ」 なるものに挑戦し、牛肉、豚肉を買ってきてミンチにするところから始めスパイス、ブイヨンを粉にしたもの、バター、ナツメグ、塩、胡椒、卵、生クリーム、玉ねぎなどなど考えられるものすべてを入れてこねくり回し、冷蔵庫で冷やしてから焼き上げ、ソースも出た肉汁に赤ワインを入れ、ケチャップ等で味を整え、愚息に食べさせました。

どうーや、美味しいやろ? と聞くと
うん!某店と同じぐらいおいしい! ・・・・・

うーん、武蔵敗れたりーっちゅう気分でさらなる求道を目指す覚悟を決め、愚息のほっぺたをつねっておきました。

というわけで家庭料理も子供の成長には大変重要な教育のひとつ。
ですから「おばんざい」なるものは、母の温もりと愛情が詰まったお料理と言えるでしょう。



(用意する材料)  2人分

      
大根5分の1本
厚揚げ(四角)小なら4個
大なら2個
お出汁
だし汁
今回は素材の味を生かすため出来るだけかつおと昆布でひいた出汁をお使いください
280cc
みりん40cc
淡口醤油40cc
砂糖20g
味の素少々


調理法

  1. まず大根を5センチほどの長さで切り落とし皮を厚めにむきます。
    そして5ミリ角ぐらいの大きさで拍子切りにしてください。
  2. 切り分けた大根を鍋に入れ、水から湯がいてください。
  3. 厚揚げは適当に縦長になるように切り分け鍋に入れておきます。
  4. 湯がいている大根はやや固め、しゃきしゃき感が残ってるところでザルにあけますが、その折に[3]の厚揚げ入りの鍋を下に受けてお湯を切ります。
    そうすることで厚揚げをさっと湯通しし、余分な油分を取り除きます。
  5. 厚揚げもすぐに湯を切り、大根と厚揚げを入れた別の鍋に上記のお出汁の材料をきっちり測って入れ、火にかけます。
  6. 沸騰しましたら弱火にし、2.3分ことことと焚いて出来上がりです。




できたてを熱いまま召し上がって頂いても結構ですし、粗熱をとり冷蔵庫に入れたものを冷たいまま召し上がって頂いても結構です。
ポイントは 大根をあまりやわらかくしない こと、しゃきしゃきしている方が美味しいと思います。
お試しください。

それではおばんざいにちなみ俳句を一句

お大根の〜 (おだいこの〜)
甘味身に染む
母の味〜

えっ?下手くそ??
うーん、またもや敗れたり・・・

五条料理飲食業組合  割烹三栄 若主人 清水敏夫